風に乗ってダンスを

堕天使たちシリーズ2作目です。
クールで覚めたルシアンが、恋のおちていく過程がよい!

19世紀ロンドン。ストラスモア伯爵であるルシアンは、英国の諜報活動に携わっていた。仏国のスパイを見つけ出すため、快楽的な儀式を楽しむヘリオンズ・クラブの会員になることを計画。クラブの幹部たちを友人の城に招く。ところがその夜、幹部の一人が客室女中を襲おうとする場面に遭遇し、その女中を救うことに。彼女はキティと名乗った。その後、ルシアンは宴会で、女性バーテンダーのサリーに出会う。さらに、別のパーティでは、ドレスを着た美女が彼の部屋を物色しているのを発見。ルシアンは、その女性がキティやサリーと同一人物であることに気づく。彼女は敵のスパイなのか?翻弄されながらも、強く惹かれ、いつしか彼女の全てを欲するようになっていく…。互いの正体がわからぬまま、一線を越える二人。

 
自分自身の過去に辛い傷を持つルシアンが、すこしずつキットに夢中になっていくところがいいですねえ。そして自分の運命の女性としてまもろうとするも、いろいろあってルシアンの思うとりにならないところもまた良い。ヒロインのキットは、一卵性双生児のキラと常に比較され、自分は魅力のない女性だと思ってるのもおもしろい。
この作家さんの話は、複雑で手がこんでて読み応えがあるけど、その分感動も大きくって大すきです。次作が楽しみ!