もう一度あなたを

リサ・クレイパスは、「悲しいほど~」の時から好きだったのですが、この話には思いのほかがつん!とやられました。新刊できれいに買ったはずが、もう数十回読みなおしてるせいかぼろぼろです。そのうち保存版も買おうかと思うくらいに好きです。

マーカス・マースデンの妹・アリーンがヒロインです。
親にほったらかしにされて田舎で自由に育ったアリーンは、9歳のころから馬丁のマッケナと幼馴染として育った。幼馴染はいつしかお互いに恋心をいだくようになる。身分の違いから気持ちを抑えるマッケナといずれ政略結婚をさせられることがわかっているアリーンは、気持ちを抑えることなくマッケナにぶつける。
しかし、二人の仲がアリーンの厳格で冷たい父の耳に入り、マッケナの身を案じたアリーンは、自分の気持ちを押し殺してマッケナを追い出すのだった。

それから12年後、アメリカに渡り実業家として成功したマッケナが復讐と胸にアリーンの元に戻ってくる。アリーンは見知らぬ男性のはずなのにどこか懐かしい成長したマッケナと再会し、マッケナの中に自分への気持ちが消えずに残っているのを見たとき、一度だけ昔に戻る夢を実現させようと決意するのだった。

 

 12年後に再会してからの2人の会話、動き1つ1つにいろいろな意味があって、どこもかしこも切ないです。 アリーンは自分の気持ちよりも常にマッケナのことを心配し、自分と別れたからマッケナが誰も愛せなかったことをうれしく思いながらも、かわいそうに思います。

マッケナの復讐を受け止め、再度追い出し、マッケナをこころから愛する人と結婚してほしいと望むアリーンは美しすぎますね。 他の人には内向的で威圧感があり、口数少ないマッケナが、アリーンにだけよくしゃべり感情を見せ優しくする様は、傍から見ててもこの人にはアリーンしかいないじゃん、と思うのですが本人がやはりなかなか気付かないようです。

いろいろなことに振り回されて、最後にやっと気持ちが重なったとき、最後の30ページほどは涙なしでは読めないほどでした。数十回よんだ今でもウルっときますね。 アリーンの妹のリディアとギデオンの恋も恋に落ちながらもある意味冷静で、人としていい恋だな、と思いました。でもやっぱりアリーンとマッケナの2人は最高です。 壁の花シリーズでももう少し2人のエピソードが入ってくれるとよかったんですがねえ。。