竜ひそむ入江の秘密

禁じられた城秘密に続くキルダレン・シリーズ2作目で、前作の妹、アンドロメダがヒロインです。

前作ヒロインよりもかなり落ち着いていて、自分の能力故の哀愁ただようアンドロメダの話はかなりよかったです。

キルダレン城主ショーン様と姉キャシーが結婚したことにより、触れることによって人の思考を読み取ってしまうという特異な体質故に親しい友人も持たないアンドロメダはさみしさを感じていた。姉の関心はショーン様とこれから生まれる子供のことに集中し、特に最近はドラゴンの呪がわが子に及ばないかに心をとられている。それでもけなげに女城主としてがんばっている姉を見て、アンドロメダも自分の将来を思案し始めた。古美術の整理が得意であることから、ロンドンあたりでそのような職をみつけるのが良いだろうと考えてはいた。古美術の整理を行いながらのちの紹介状をもら得れば将来の仕事につながる。
そのような計画と姉の心配を一度に解決できる人物、ショーン様の兄アレクサンダー様の元に行くことをアンドロメダは決める。まったく思考の読めないアレクサンダー様は謎の人物だが、決して悪い人には見えなかった。
そしてある時、ふとしたはずみで触れてしまった彼から届いた思考は、全裸でベットに横わたる自分の姿だった。。。

 最初から引かれていたアレクサンダーとアンドロメダ。2人とも結婚もするつもりもなくって、でもとめられてなくて・・・と情熱的です。
でも、ある事件をきっかけに2人の情事が明らかになった後、アレクサンダーの思考が読めてしまうが故の苦悩がアンドロメダを襲います。そのあたりは、切なくて結構お気に入りですね。
サスペンスの部分は、前回同様ポッ!サスペンス登場になってしまうような気がしていまいちのような気がするのですが、暗い雰囲気とサスペンスの緊張感、ロマンスの官能性のミックスとしては今回はとてもおもしろかったと思います。