暗闇の王子ーキリアン

囚われの恋人ージュリアンは、いまいちだったので、おそるおそる読み始めましたが、かっこよくって夢中になってよんでしまいました。
かなりの長さがありますが、他の登場人物もかっこよく、世界も立て込んでいるためしかたないのかなっと。

占い師を含む奇抜な家族に恵まれ、自らもまれな力に恵まれていたアマンダは、ひたすら普通!と追い求めて会計士になっていた。26歳にしてやっと普通の恋人と結婚の文字が見えてきたころ、家族に紹介した直後に振られてしまった。元彼氏いわく、普通じゃない。
そんなことは昔からわかっていたから普通にあこがれているのに・・・
ある日双子で自称ヴァンパイアハンターのタピサの頼みで犬の散歩にタピサ宅を訪れると何者かに殴打され、拉致される。目覚めたときには見知らぬ場所で目を疑うような美しい長身の男と奇妙は手錠でつながれていた。
美しい彼はあわてることなく脱出をはかり、質問ぜめにするアマンダに自らをキリアンと名乗る。家族同様変わった相手との接触に最初はひいていたアマンダだったが、キリアンと一緒にいればいるほど、その誠実で孤独な心をいやし抱きしめたくなって・・・・

 
おみごとな世界です。
結構ダークですが暗すぎず、程よく女の子たちやニックなどの存在がストーリーに明るさを加えてくれて。第1段ってこともあり、いろいろな説明もあってよみやすいしね。みんながそれなりの制約、制限の中での活躍ですから、なんでもありではないところもよい。
そして、アマンダを愛するようになるキリアンが、でも自分にはアマンダを愛する資格がない、と苦悩するところが最高です。愛するか愛しないないか、そばにいるかいないかでずーっと悶えてます。こういう苦悩するヒーローは好きですね~。
そいういうキリアンを、ただひたすらに包み込むアマンダ。結構頑固で気丈で頭もよくがんばりやでアマンダ。過去の手痛い裏切りに魂を失うほどに傷ついたキリアンの痛みをよく理解し、自分とは異質だと思いながらも彼を傷かいます。やがて、キリアンをソウルメイトだと認識してからは、彼への愛や思いをぐっと自分の中に閉じ込めて自分にできること、キリアンが望むことだけをしようと努めるアマンダは大人の女性としてすっばらしく魅力的だと思いました。
ストーリーとしても起伏もあり、最後も盛り上がりもかなりハラハラ、ドキドキさせられていうことなしです!

シリーズが次々に翻訳されるようなので、安心して次を待ちたいと思います