冬のバラ

やきもきさせられる、手の込んだ話でした。
この込入り度と美しいのにかなり不幸なヒロイン、でもくじけないヒロインを最終的にが包み込みヒーローの魅力は、さすがウッディウィス!と思いました。

飲んだくれでろくでなしの父と弟を持つ美しい娘エリエンヌ。次から次へと有福な結婚相手を連れてくる父親に嫌気がさし、つい漏らした一言で、エリエンヌは競売にかけられることになった。父の尋常でない行動に深く傷つき、またひそかに心惹かれる男は家族と敵対関係にあり、とても結婚などできない。と絶望したエリエンヌはこっそりと村を出る。
だが、トラブルに見舞われ、危ないところを何者かに助けられたエリエンヌは、長い間領主不在だった館に領主によって保護されていた。やけどを追い、不自由な四肢を持つという領主は、エリエンヌを家族の元に送り返す。
涙を流して自由を懇願したエリエンヌだが、家族の元に戻され、ついに競売にかけられてしまう。
しわくちゃでネズミのような有福なジジイの元に嫁ぐことになる・・・と絶望するエリエンヌの目の前で、密に思いを寄せる男クリストファー・シートンとエリエンヌを助けたサクストン卿の代理が勝負し、最後にはサクストン卿は勝負する。競売のあと、シートンはさっさと父への借金を清算してでていった。そんな彼の態度に深く傷つくが、エリエンヌは運命を受け入れる覚悟でサクストン卿の元に嫁いでいく。

 
いやーー。もう!!!
相変わらず上刊は、お話の場作りで、おいしいところは下刊に凝縮ですね。
エリエンヌの揺れる思いに、一緒になって揺れて、それはまずいよ~エリエンヌ!とか思ってたのに!。
サクストン卿の優しさに同情してたのに!!!
そういうこと~!!!!
と、うれしいような、腹立つような。。。
2人の苦悩の末の幸せ、さらにそれを試すかのようなトラブル。
とってもドラマチックですねえ。
あいからず救いようもない悪役がでてきて、これでもか!とヒロインを傷つける様は、ちょっと厭でしたが、だから最後があんなに感動的になるのかと思うと、必要悪なのかな。。

とても楽しめました。!