宿命の絆に導かれて

美しく燃える情熱を の続きです。
前作の最後にアッシュが弟を迎えにフランスにいき、弟レインがすでに投獄生活を逃れたことを知るところで終ったのですが、こうやってのがれてたのか!と納得できました。

幼い頃に母の願いにしたがって罪人を救ってしまったがために、一族を皆殺しの運命に導いてしまったフェイバーは一族の参謀、老女ムーラの計画に従い監獄から1人のイギリス人を選びだし、おとりとして利用した。非常にならなければならないはずなのに、その男の姿が脳裏から離れない。
スコットランドに戻り、一族のかたき、カー伯爵の求愛を得ようと画策している際ちゅうに、あの監獄から連れ出した男と再会する。冷静で冷たい感じがして、なにかとフェイバーを困らせる男だったが、男には優しさがあった。

 
レインはフェイバーの素性に気づいていた。彼女こそマクレアン一族の一時の恋人との逢瀬に踏み込まれ強姦者としてリンチされていたレインを助けだし、その結果自分の一族、家、財産、そして将来のすべてを失った少女の成長した姿だった。美人ではない。しかし魅かれる。
懐かしさといとおしさで、自分には何も与えられるものはない、と思ってもフェイバーは1日1日とレインの一部になっていく。。

カー伯爵に復讐を誓うが気持ちはレインに傾いていくフェイバー、何も与えられなくてもフェイバーを自分のものにしたいレイン。二人の宿命の絆が強くなりだしたころ、カー伯爵はフェイバーのあいまいな態度を変装に亡き妻ジャネットを重ね、ぜひとも手に入れなくては、と決意する。

復讐とか裏切りとか暗いのに、面白い。
なんででしょうねえ。
なんだか、フェイバーの必死さに巻き込まれ、レイフの一途さにくらっときます。
主人公2人ともかなり不幸ながら、嘆かずにとにかく先に進もうとする態度がよいですね。

1作目では、強姦者って言われていたレインなので、どんな極悪人かと思ったら、すっごくよい青年でした。(笑 フェイバーも修道院で育ったと思えないほどうそつきだしね。
2人の事情が絡み合い、お互いの欲望を極限まで抑えてるから、結ばれるときは情熱的で扇情的です。よいですね、こういうただエッチなだけでなくそれまでのエピソードと心情的抑圧によって盛り上がる話って。
すごくたのしめました!!