暗闇に抱かれて

原書も持っていて、読んだこともあるんです。
寝る前にちらちら読んで寝ようと思ってベッドに入って、4時間。。結局最後まで読んでしまいました。
すっごい寝不足。。

 

精神科医のテスの患者が次々に自殺していく事件が起こる。しかし、自殺に見えた死は自殺ではなく巧妙な手口で死においやる他殺によるものだった。刑事のエイダンとマーフィーは捜査を開始するが、エイダンは、他の警官と同じように3人の少女と警察を殺した犯人を責任能力なしと証言したテスを許せていなかった。特に3人目の犠牲者を見つけたのはエイダンだったので、犯人に対する思いは他人事ではなかった。
しかし、テスの患者に対する忠誠、誠実さ、自分の身の危険をさらしながらもモンスターたちと向き合い、自殺しようとする患者を助けようとするテスを知ってからは彼女を守ろうしはじめる。
犯人は除所に存在を主張しはじめ、テスのまわりにいる友人、同僚、そしてエイダンの家族までもを襲い始める。緊急事態のために患者の情報を警察に与えたことにより、テスは患者から訴えられ、命を狙われ、医師としての権利をはく奪される。
そんな中、数年前の事件から縁を切っていた実家の兄がやってくる。同じく刑事であるヴィドはテスを実家につれかえって守ろうとするが、自分のまわりの人間に被害が及ぶことからテスはエイダンのそばに残ることを決める。捜査は犯人らしき者を何人か探し当てることができたが、逮捕しに出かけるとすでに死亡していた。犯人は別にいる。ではだれが?
やっと真実にたどりつきそうな時、テス自身が誘拐されて・・・・

「誰かに見られてる」のヒーローの弟、エイダンがヒーローです。
「誰かに見られてる」の時から思い込みだけで突っ走る傾向があったエイダンですが、今回も結構そういうところがあって、でも本当のことがわかると手の平をかえしたように優しくなれる人ですね。今回もテスのことを最初はいやなやつと思っていたのが、テスの首の傷の経緯、身を犠牲にしてまでも患者を助けようとする姿勢をみて、自分の腕の中で守りたくなっちゃいます。

 

そしてその途端、俺の女だ、化して言葉も少なくなってテスを傷つけてしまったり、過去の恋愛のトラウマを話すときもプライドが邪魔してなかなか話せなかったり、学位をとったことを内心すごく自慢に思っていて言葉のはし端にそういう態度がでて回りの失笑を買ったり。気性も荒いけど、酸いも甘いも経験した大人の男性ですね。


テスも夫の浮気、離婚、父の浮気?、母との衝突、仕事上でのトラブルなどなど様々な試練にもまれながら、常にプロとして誠実にあろうとする態度はすごく立派です。人として高潔なんだなぁって思います。家族との確執も誤解だったことがわかり、事態は上向きに見えたはずが、最後のどーん!!っていう衝撃は、やはり読んで味わっていただきたいほど強烈ですね。

やっぱりこの人の話はおもしろい!