炎の壁から彼方へ

ノーラ・ロバーツは好きですが、最近惰性で読んでることが多かったのです。(爆
しかーし!やはりロマンスの女王様は素晴らしい!今回は本当に素敵なお話で、久々に読み返したくなるノーラ・ロバーツでした!
トリロジーもいいけどさ、こういう単発ものもたくさん書いてほしいですね

11歳の時に家族の営むレストランが放火された瞬間から炎に魅了されたリーナ。放火捜査班の刑事になることを目標に脇目も振らず勉強に励んでいた。しかし、ごくまれにリーナが好きなる男性はなぜか炎にかかわる死に方をし、最後の比較的まじめな付き合いではDVに巻き込まれて、あやうくキャリアに傷をつけてしまうところだった。その後リーナは真剣な付き合いは避けるようになる。ただひたすらに仕事に打ち込み、ついに放火捜査班の刑事になるリーナ。20年かけての夢の実現。
そして運命の男性ボーと出会ったことで、20年間の時を超えてリーナを追い詰める放火犯が魔の手を伸ばし始める・・

 
20年かかった夢の実現の途中でリーナは何度も好きな人を亡くします。
上刊のほとんどがリーナの悲しい話で、家族と友人の支えがなければかなり暗い話になってたろうな~と思うほど。とにかく強い!リーナは強くたくましい。いろいろなことがあっても、かなり前向きだし、自分の目標を見誤ることがない。男らしい女性です。
そしてボー。いい意味でロバーツらしい男性。しかも希少価値付きです。
一目ぼれのリーナを自分の女神とよんで13年間思い続けるなんで、その辺の男性にできることじゃありません。13年もまっていた女神との対面・・・心臓麻痺おこさなかっただけ、大したものですよね。
二人のすれ違いまくる前半。しっくりと運命との絡みつきを感じながらも、おそるおそる関係を構築していく後半。ひとらしい、ドラマっぽい仕上げで、ひきこまれました。
この二人のカップルは、ロバーツらしくって文句なし!放火捜査っていう仕事も内容も、大工の仕事もリーナの実家の料理の話も、インテリアの話もドレス、靴、化粧、姉妹けんか。すべての会話が作り物っぽくなく自然で、よんでて楽しくなってくる。

そして家族。リーナのほうだけは大家族でボーがちがうっていうバランスもまたよい。ボーは離婚した夫婦の一人息子。祖母とは親しくしていても父や母とは疎遠は間柄。そんなボーが、リーナの超大家族の超騒がしい会合に溶け込んでいく。おもしろいですねえ。
リーナの母ビアンカ、姉フランとべスもかなりいい味だしてます。とくにうまいなあと思ったのが、ビアインカの言葉には母としての経験と愛情があり、リーナの言葉には子供の身勝手さと親を慕う親愛がまざっているのには、本当にどうしたら、この人ってこういう風にかけるのかと疑問に思うほど。
すごく、みんないきいきしていて、なんて人生ってうまくいかないんだろう~って思うけど、なんかね、それがよいのよね。って笑いたくなるような家族の温かさがあって、うれしくなります。

そして、とにかく男性陣がどれもこれもカッコいい!
リーナ父のギブロン、弟ザンダー、最初の恋人ジョシュア、ジョン、スティーブ、オドネル。みーんな違うタイプなのもすごい。
大満足な2冊でした。