闇を駆けぬけて

編集者のジュリア・デボゥーは運悪く殺人を目撃し、それが名のしれたマフィアの大ボス・サンタナであり、ただちに彼女に懸賞金がかけられたため、証人保護プログラムに入りこれまでの都会でおしゃれな気ままなシングルライフもわがままなジャム猫も、気の置けない親友たちも何もかもすて、さびれたアイダホの田舎町で小学校教師サリーとして生きることになった。
ある日、優秀ながら何かを悩んでいるらしいラファエルの保護者の代理?としてサム・クーパーに出会う。あまりのたくましさと寡黙さ、戦士のようなまなざしに恐怖を覚えるジュリアだったが、しだいにクーパーの包容力にひかれ、彼といることに安心を感じるようになる。
安心・・・・それはここ数か月、常に闇を恐れ、人影を探るようにして生きてきたジュリアにとってもっとも必要なものだった。

 

サスペンスですが、ほぼラブストーリーです。
最初のジュリアの泣きごとにあふれたみじめな証人生活の部分は少しだるかったけれど、クーパー登場後は、もう!とまりませんでした。
前妻が性悪な女性で、クーパーの財産を食いつぶすためだけに結婚したような女性で、彼女の思い通りにならないクーパーをさんざん苦しめた挙句に捨てて出て行ったあと、女性に反応することなかったクーパーが、無言でジュリアに燃え上っていく様は、はっきりいってかわいいです。
赤毛な女性が好きで、ジュリアの顔立ち、肌の色をみて赤毛のはずなのに・・・と思う姿もかわいい。
赤毛でなくってもなぜか惚れてしまったジュリアと結ばれる直前に、ジュリアが赤毛であることが判明し、深みにはまったことを悟る部分もかわいい。
SEAL生え抜きの戦士でありながら、いつかジュリアに赤毛に戻すように言えるかどうかも自信が持てないもじもじくんなところも、So  Cuteeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeee!!
クーパーの一人悶絶だけでたっぷり楽しめました。

とはいえ、ジュリアも性格よく、あらゆる環境に適応できる能力の高さ、人柄のよさは際立ってましたけどね。でも、やっぱりロマンス小説なので、ヒーローに惚れこめないと楽しくないのですよね。

そういう意味でとってもたのしい一冊でした。
後半、終わるのがもったいないくらい。
よいです。
次回の翻訳も決まっているようですので、楽しみにまちたいと思います