冬を宿した瞳

ロマンス小説の出版も多くなってきましたが、ロマンティックサスペンスは依然少ないですね。
そんな中、果敢に新しいロマサス作家を発掘してきてくれるvillegeさんは貴重です。
今回も重い部分もありましたが、ドキドキしながら事件の展開と2人の関係から目がはなせませんでした!

カンザス州の小さな町、りバートンの保育園で園児と先生を人質による立てこもり事件が発生した。現場に急行した交渉専門の刑事、ニックは犯人からの要請により一人の女性を召集した。
女性の名はジュリエット。犯人の元妻だ。彼女自身の息子も保育園にいて人質になっているのに取り乱すこともなくたんたんと冷たくことをあしらう。犯人に誠意をこめて嘘をつき、なんとか人質を救出することができた。救出された息子をみても、眉ひとつうごかさず、駆け寄り抱きしめるわけでもない。氷の女王のようなジュリエットに、ニックは興味を覚えた。
なぜなら、彼女に自分と同じような苦しみを見たような気がしたからかもしれない。
過去の過ちにより現在の一歩を踏み出すのが怖くてたまらない。大騒ぎしたら、壊れてしまいそうで、怖い。そんな思いが、ニックにはよくわかるから・・・・

 


もう会うこともないと思っていたジュリエット親子だったが、犯人のジュリエットの元夫が金に物を言わせて釈放されたときから、ニックは2人を守らなければならない気持ちに掻き立てられ、ジュリエットの住まいに向かった。

一人の刑事としては、のめり込みすぎだろう~って気もしますが、でもね人間ですからね、失敗を覆したいのですよね。H/Hのまわりの人々もいろいろと過去に傷を持った人々が多いです。でも、そんな中でも前向きに生きようという気持ちが伝わってきて、良かったです。
ロマンスは、まあまあかな。虐待のあとが痛々しいのでね、甘いロマンスというよりは必然のロマンスでつっぱ詰まった感じでね、そういう意味ではストーリーとマッチしたロマンスでした。
おもしろかったです。