ためらいの誓いを公爵と

私的にはまあまあだった前作"子爵が結婚する条件"子爵が結婚する条件</a>のイメージが強かったので、おそるおそる読みだしましたが、とってもおもしろかったです

 

19世紀の英国の田舎町で、牧師であった夫を亡くし、幼い娘を抱えたハンナは、あと数週間で新しい牧師がやってきて自分の住んでいる場所を明け渡さなければならないため、荷物の整理をしていた。引っ越し先といえば、つい最近後妻を迎えた父の農場に戻るくらいで、厳格で特に娘を気遣うような父ではないため、農場に戻れば肩身の狭いおもいをしながら、再婚の見込みもなく時が過ぎていくのではないか、と不安になっていた。
そんなハンナの家の前で貴族のデヴィッドが馬車で事故を起こし、大けがをしてしまう。
成り行きからデヴィッドの世話を引き受けざるを得なくなったハンナ。憂鬱な気分のまませっせと看病しまもなくデヴィッドが回復していく。荷物を淡々と片付けるハンナの事情をしったデヴィッドは自分との結婚を申し出る。契約結婚で、ハンナの看病に報いるためだといわれ、自分と娘の将来のために、デヴィッドの申し出を受け入れたハンナ。
地元で結婚式を終えた二人はあわただしくロンドンに赴き、デヴィッドは所用によって外出してしまう。娘と2人で見知らぬ街で、不安な気持ちを抱えたままデヴィッドの帰りを待つハンナの前に、デヴィッドを冷たくした感じのデヴィッドの双子の兄、マーカスが現れ、ハンナの結婚証明書を目の前にたたきつける。混乱するハンナに、マーカスは自分こそがハンナの新しい夫だと告げる・・・・

 
牧師の未亡人で特に絶世の美女でもなければ財産があるわけではないけれど、かなりの良識の持ち主であるハンナ。ハンナの目を通してみる貴族の暮らしは、その豪華さをよく表現していて、ためらいやショックやら、新鮮でした。
シンデレラって、やっぱり最初はこういうショックを受けるもんですよね。
偽装結婚だから、いずれは手離さなきゃいけないから、と絹の手触りにうっとりしならも、でも綿でも十分だわ!って思う感覚がよい!
そんな良識的で真摯なハンナのやさしさやぬくもりに氷の男と呼ばれたマーカスもメロメロに溶けていってしまうわけですね。

2人のなれそめを作ったデヴィッドですが、最初はもーどうしようもないやつ!って感じでしたが、後半はだいぶしっかりしてきてましたね。双子って結構大変なのね。
次回はこのデヴィッドがヒーローのようで、さてさてどんな話になるのやら。
たのしみです