もう一度愛の歌を

もともとは1984年に書かれたもののようでした。
らしいヒーローというか、ハーレクインのどこかのでよんだあらすじというか、安心して読める展開です。

夫婦で人気歌手として活躍していたアラーナは、故郷のブロートン山で出かけている際中に事故で夫を亡くした。事故後全身にけがを負っていたため、入院したが、アラーナには自己前後6日間の記憶がなく、事故以来悪夢に苦しめられていたが、何が原因がわからなかった。
歌うことも眠ることも食べることもできず、今までの生活から離れて一人ポートランドで苦しみに耐えるアラーナの元に弟から戻ってきてほしいとの連絡が入った。

 

故郷のワイオミングに戻ったアリーナは最愛の男性、ラファエルと再会する。
数年前に兵士として旅立ち、その後アリーナの元に死亡通知が届くとともにアリーナの元から消えたはずの男性だった。ラフが亡くなったと知ったときから、アリーナには歌しかなかった。仕事の上での都合を考えジャックと結婚したが、心も体も未だにラフだけのものでラフを求めていた。

 
記憶を失い、やせ細り、人に触れられるとおびえるアリーナをラフは辛抱強く、温かく支えます。自分自身も戦場で拷問にあいアリーナに会うためだけに生き延びたが、部下を死なせた心理的ダメージから立ち直るのに長い時間を要した経験からつかず離れず絶妙な位置に構えて常に支えます。
心が通じ合ってるとあとでも言ってますが、絶妙なタイミングでつかずはなれず。アリーナを愛するラフにとって彼女からの接触はあっても、自分から触れないっていうのはとても辛いことだと思うのですが、自分の気持ちを犠牲にしてもアリーナに尽くす態度はとっても素敵。
そんなラフの支えがあってアリーナもラフと触れ合うことに抵抗がなくなり、二人は再び結ばれ、一時も時間を無駄にしたくないラフはアリーナに結婚を迫りますが、アリーナは悪夢と男性との接触におびえる状態では結婚できない。と返事を保留にしたがります。
で、ここでラフはぶちっと切れてしまい、アリーナに別れを告げ立ち去るのでした。
そのシーンが、あまり極端にひいてしまって、えーーーーーーーーーーーーー!!!って思いました。
でも、エリザベス・ローウェルらしいヒーローと言われればそんな気もします。

結局、記憶ももどってハッピーエンドなんですが、
記憶がすべて明らかになってもなぜにそんなに恐れていたのか、何を知りたくないと思っていたのかいまいちわからない?疑問が残りました。