伯爵の花嫁の無垢なあやまち

<ロンドンでもっともすばらしい愛人たち>シリーズの1作目です。すごいシリーズ名ですね。

 

最初は、勝手なこというヒロインだなーという印象でしたが、

読み進めるうちにヒーローにも問題があることが分かり、最後にはヒロインが現状を変えようと決意したことがよかったな、と思いました。

 きっかけは3年前。幼馴染の長兄ウエストクリフと天真爛漫で17歳のクレアは結婚することになっていたが、クレアは17歳になったばかりで社交界デビューもしておらず、ウエストクリフとは、幼馴染のスティーブンの兄というか、保護者のような存在で、よくわからない大人で、クレアはウエストクリフを怖く感じていた。結婚はいやではなかったが、ただ少しだけ時間的な余裕がほしかっただけ。

そんな悩みを兄弟のように仲のよいスティーブンに相談したところ、彼はクレアの不安を理解し、助けてくれた。。はずだったが、その行為がウエストクリフを怒らせ、それから3年間クレアは田舎の屋敷ですっかり無視された花嫁として過ごしてきた。夫から無視され、1人きりで。

 妹の社交界デビューをきっかけに、クレアは現状を変える決意をする。ウエストクリフと本当の夫婦になり、子供もほしい。夫の怒りを買うことも覚悟のうえ、社交界デビューをしていないクレアには見方もおらず、非難を覚悟で義理の母を頼って、夫の気持ちを取り戻す行動を開始するが。。

 

勝手に思えたクレアは、結構いい子で、明るく朗らかで優しく、怒りまくっているウエストクリフにも、果敢に立ち向かっていける度胸もあり女性としてとても素敵。実は幼いころからクレアをみていたウエストクリフはクレアならば、自分に温かい家庭、幼いころから望んでいたが、冷たく厳格な父、弟ばかりかわいがる母とのいびつな家庭でそだったウエストクリフが望んでいた家庭を一緒に作っていけそうだから。。という理由があって、クレアが社交界デビューをするのも待てず、結婚したわけでした。

 

幼いころの両親の関係から、自分には人を愛せないと思っていたウエストクリフの心を、クレアとの生活が溶かしていき、本当に自分が望んでいたころを思い出します。でも、すんなりはいかないのがお約束とばかりにウエストクリフの愛人が邪魔してきたり、スティーブンがもどってきてちょっかいだしたりしますが、最後は幸せな二人になれました。

いじけているウエストクリフが切なくってよいです。

 

脇役も今後のシリーズにでてくるウエストクリフの兄弟、およびその母とその愛人など結構自由で個性的なキャラ満載で、楽しめます。お母さまと愛人のレオの恋愛は伏線としてシリーズ続いていくので、二人の関係の変化も注目ですね。