時の扉を開いて

独自の世界、強烈で癖が強いけれど、魅力的な登場人物、
次作への前ふりも十分な、第2作目です!

ヴァンパイアの兄によって、瀕死のところをヴァンパイアにされ一命をとりとめた(?)たセバスチャン。運命を呪い、みずから死を願う彼の前に現われたのは、このようのものとは思えぬ程に美しく、悲劇的な事件がきっかけですべての感情を失い、ヴァンパイア殺しを生きがいとするヴァルキリーの「凍てついた心のケイドリン」だった。

自らの死を受け入れようと、ケイドリンに向かい合うセバスチャンは、この数百年ぶりに、自分が生きている(?)感覚を感じる。それこそは兄から聞いていた、花嫁とのでないでは?そんな気持ちを裏付けることがつづき、セバスチャンはケイドリンが運命の相手の「花嫁」だと知る。彼女もまた、セバスチャンとの出会いによって、1000年ぶりに感情がよみがえった。

不死ながら生をあきらめきった男が、花嫁のためにすべてを投げ出してくれます。
このぞっこんぷりがすばらしい!!
最初は冷たいケイドリンも、いつもそばにいるセバスチャンになれ、彼がいないとものたりなくなってしまうほど。
敵と思ってういるヴァンパイアとちぎりを結ぶことは、ケイドリンには耐えられないことだと思うけど、彼女はうやりぬきます。自分の命と、自分の姉妹の命のすべてをセバスチャンに預けてしまう。

そんな太っ腹はケイドリンだからこそ、幸せになってほしい!と思いました。
罪悪間もなにもなしに、楽しい新婚生活を送ってね!