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愛の眠りは琥珀色

シリーズものとしては読みたかったけれど、
あらすじを読んで、読みたくない!っと思った本書。
でも、そういう拒絶は見越しての作りに脱帽です。
素晴らしいロマンスです。

17歳の公爵令嬢ヴィオラは、評判の悪いがハンサムで女性をとろけさせる魅力をもったジョン・ハモンド子爵とであった瞬間に恋に落ちた。短い交際期間、彼の愛を確かめ、幸せな結婚生活を送るつもりだったヴィオラの元に、ジョンは結婚前は愛人を囲っており、ヴィオラとの結婚も彼女の持参金めあてだったという、意地の悪い噂が舞い込んでくる。
夫に確認すると、ジョンは悪びれもせず、否定もせず、終わった関係であることを告げる。
彼の愛は、本当の愛ではなかった。彼は嘘をつき、その裏で愛人と楽しく過ごしていた。
貴族社会ではよくある情事だったが、ヴィオラには耐えられなかった。ジョンを寝室から追い出し、その後ジョンは別の愛人を見つけた。
そして9年間、2人は形だけの夫婦を演じてきた。このまま別居したまま人生を終えることを覚悟したヴィオラはせっせと慈善活動に精をだしていた。そこへジョンがやってきて、彼の子供を産むという義務を要求し始める。。いったいなぜ?いまさら?消したはずのジョンへの愛と憎しみでヴィオラの心は激しく揺れるのだが・・・

 愛していて、その愛ゆえにもう2度と傷つきたくない、とジョンを拒絶するヴィオラ。その言葉や態度のはしはしに、孤独と傷ついた気持ちと、自分を奮い立たせてジョンを拒む意固地さが見えて、いとおしかったです。さながら氷の女王のようなヴィオラですが、17歳の恋に恋する状態で、本気で恋をし愛した男に、自分の気持ちが通じてないだけでなく、嘘をつかれ、裏切られたプライドの高い女性ならば、こういう態度をとるのはふつうでは?
でもそんなヴィオラに、押したり引いたりしながら、アタックをかけるジョンもまた、いとおしい存在でした。散々浮気を繰り返し、ヴィオラを傷つけてきたのに、そういうことに自覚もなく、愛を理解もしていない。女性が愛やら執着を占めるといやな感じで、逃げ出したくなる。でも、ジョンにとってヴィオラだけは特別で、彼女がほほ笑むと天国のような気分になり、彼女に冷たくされるとしんでしまうくらいにさみしくなる。
ジョンもひそかに自分の非を認めながらも、生い立ちゆえに素直にそれをあらわしたり、その過程を話したりできない。そんなジョンをそのまま受け止め、彼の難しさを理解し、信じることができたとき、ヴィオラもまた成長していたのだと思います。
良いロマンでした。