あなたという仮面の下は

未亡人アンナと妻に先立たれたエドワードのお話です。
2人とも大人のせいか、回り道も多いのですが、待たされた分つもりつもる情熱もよいです。
ちょっと突飛だけど、とてもおもしろかったです。

若くして夫を亡くしたアンナは夫の母とメイドの3人暮らし。贅沢せずに暮らしてきたけれど、仕事を得ずに暮らしていくのはもう限界だった。だが、なかなか女がこなせる仕事など無く、困っていたアンナだが、ふとしことから久し振りに領地に戻られた伯爵の秘書の仕事を得る。女だから。。と断られるかとドキドキしながらまっていたアンナの前に現れたのは、数日前にとおりを馬に乗って疾走し、危うくアンナを引きそうになり、せっかくの買い物をだいなしにしてくれた男だった。
気難しく言葉厳しい伯爵だったが、アンナの仕事ぶりには満足しているようだった。そしていつもしかめつらで機嫌が悪いようにみえながら、実はアンナにやさしく接してくれて、会話については何を話していいかわからない素振りを見せるエドワードに、アンナは好意を抱いていく。エドワード自身も今日にアンナが気に入り、何かにつけ心の中にアンナは入り込みエドワードを悩ましていたが、エドワードは自分の身分にふさわしい妻を迎え、跡取りをもうけなければならかった。
数年前から妻を亡くし、その手の欲求はプロに頼るようになっていたエドワードは、妙にアンナに欲望する自分の状態を久しくそういった場所にいっていなからだ!と思いこみさっさとロンドンに向かった。
そのころアンナは、道端で倒れていた娘=娼婦を助けたことが縁で、男性が欲求を果たしに行く場所で、匿名で、誰にも知られずに、自分の思う人を一時を過ごせるチャンスを得た。
そしてアンナは一代決心をするのだが・・・

 おもしろかったですねえ。
身分や過去にとらわれて、若い時ほどむてっぽうになれない2人がもどかしくってよかったです。
天然痘のあとを気にするヒーローは、傲慢な態度の後ろに繊細で愛されることを願う男性です。
夫の浮気に悩まされ、子供ができないと悩んでいたアンナはそんなエドワードを包みこみます。
その懐の深さもよいです。

ずっと評判の高かったこの作品が読めてうれっしい!