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楽園は嵐の果てに

前作もとても面白かったのですが、この作品の方がおもしろかった!歴史的な逸話を織り交ぜながら、主人公2人の心の成長を細かく表現し、回りの人々の生活も生き生きと描いていて、現実の中の夢ものがたり的に思える部分が、とても気に入りました。

19世紀のウェールズの小さな谷あいの村で教師を務める前牧師の娘クレアは、悪魔伯爵と呼ばれるニコラスに、自分の領地での出来事にもう少し目を向け、改善するように努めてほしいと訴える。それは父の献身に報いたニコラスの好意に対する要求だったが、ウェールズで人生の悲劇を経験し、その後数年を海外で過ごして、今回は売却に向けた資産整理の意味もあってウェールズを訪れていたニコラスにとっては、クレアの申し入れは、はっきりいってどうでも良いことだった。そのために少し意地悪な取引を持ちかける。クレアが3か月間、愛人で無いにしてもニコラスの館に滞在し、愛人のように毎日相手をしてくれるのなら、クレアの要求を飲んでもよいと。それは、メソジストの娘としては一生の評判をかけた取引になる。きっと彼女は断るはず、と踏んで取引を持ちかけたニコラスの期待を、クレアは裏切り、その取引に乗ることになった。
他人のために、自分を犠牲にできるクレアの態度は、ニコラスには衝撃だったはが、そんなお堅い教師を堕落させるゲームは、もっと魅力的な衝撃だった。
そうして、2人の愛人のようで愛人でない、奇妙な生活がはじまった。

 


運命論者でシリアスなのに、真剣になるとスルリと逃げていくニコラス。さみしげなのに、他人にはなかなか本心を見せない快楽主義者は、かってにクレアに毎日キスすることにして、うぶなクレアを魔術のような魅力で翻弄します。対するクレアは、牧師として人々のために人生をささげる父に、普通の父としての対応を求め、与えられない自分に対して父に愛されないという負い目を持つようになる。父が持っていたような霊的な信仰を持ちたいけれど、自分にはそのような経験もない。そのために、身をうってでも、人々のために尽くすことに自分の存在価値を見出そうとする。厳格なメソジストの娘として育てられたクレアにとって、ニコラスのやること言うことのすべてが禁忌に触れるようなもの。
でも、ただ厳格で何も残らない自分の人生を振り返り、ニコラスといる間は、せいいっぱいたのしもう!と開き直れる適応力も持ってます。
正反対の2人ですが、やがてお互いを補う、不可欠な存在だと認めていきます。
しかし、4年前のニコラスが忘れた方出来事と、村の炭鉱のマネージャーがニコラスの介入を快く思わなかったことが複雑に絡みあい、2人に転機が訪れます。。
よくできてますよね。。マージドとオーエンは、地味ながらいい味だしてるし、堕天使の他3人は、これからの続編への期待が、みなぎる登場のしかた、人物評価でした。
つづくんですよねえ?これって?
すごく楽しみです。
奇数月なんていわず、毎月だしてください!

あ。でも、今回の表紙は、ちょっといまいちでした。。。