危険なプリンスと恋に落ちる方法

好きです。前作"危険な公爵を夫にする方法"同様、元気の良すぎるヒロインと全体的に暗いヒーローでしたが、暗さがちがうし、ヒロインのくせもちがうのでおもしろかったです

カサンドラ叔母亡きあと、すぐに結婚しなければならない立場に立たされたグリアは、いちかばちかの賭けにでて、亡き父が残していたかもしれない財産を受け取りにスコットランドを目指していた。旅賃を節約するためにある老夫人の付添としての出発だったが、旅は一筋縄ではすすまず、夏がすぎ、秋が近づき、旅を寒く辛いものにしていった。唯一の救いは度の途中で知り合ったミスター・パーシーの優しさで、彼は老夫人が亡くなったときもグリアの面倒をよく見てくれて、くじけてロンドンに帰ろうかと思っていたグリアを思いとどめ、なんとしても自分の遺産を手にいれるように促すのだった。
確かにグリアには残された遺産があった。しかし、グリアのことを知らなかった父や叔父によってグリアに残されることはなく、受取人不明のため、ボーイス公=プリンスに譲渡されていた。
パーシーいわく、プリンスこそがパーシーの遺産を不当にもとリあげ、数々の人を不幸に陥れてきた張本人だという。確かにプリンスは雄々しい顔をした長身の男性だった。

 
常に怒っているプリンス。彼にはそれなりの理由があり、孤独の中で小さな喜びをかき集めながら生
きてる姿がいじらしいですね。
グリアは、美しく機転もきく、という描写になっていますが、なんとも怪しげなミスターパーシーをそこまで信用しなくてもいいんじゃないか!って思うシーンもあり、世間知らずなせいなのかな~、少しぬけてるように見えました。グリアはどんなにプリンスが起こってもくじけずに、自分の欲求を通そうとして生きます。普通ならばうっとおしいこんなからみ、自分の殻に閉じこもっているプリンスには必要なのかな。。
長身でたくましく、美しい妹は似ても似つかない雄々しい顔。その顔に落馬のさいについた醜い傷、色を認識できない目、季節によって足を引きずるほど痛む落馬の後遺症。ゴリアテと呼ばれる男性でしたが、そういう外見的特徴も、グリアにはちっとも気にならなかったようです。

2人の間に嫌悪と愛情が交差してて、その割合が、いつ愛情の方が多くなったのか、性格につかみきれないようなもどかしさもありますが、まあ、恋ってそんな2面性も持ってるものよね~っと少し余裕をもってみると、なかなかうまい展開だよな~と感動しました。

最後のプロローグは、(こういうハッピーでやさしいプロローグは大好きです!)プリンスの優しさが光る一場面でした!
さて、次はフィービー!男性と一緒だと緊張してくつろげない彼女がどんな恋に落ちていくのか、楽しみです。