放蕩者に魅せられて

素晴らしい作品でした!
ヒーローが人間味あふれてて魅力的!ヒロインも元お姫様と思えないくらいの苦労人。
ロマンスもいいけどこの2人の友人としてのかかわりあい方も、とてもよいです。
この作家さん、とても気に入りました。

 

放蕩者でアルコール中毒でありダベンポート家の恥さらしのように書かれていたレジーだが、38歳の誕生日を前に、日々の放蕩生活に疲れを感じていた。そんなおりに、いとこで伯爵位をついだリチャードから、ストリックランドの領地を譲り受ける。長い間、おじの後継ぎとして束縛された生活を送り、少ない手当と叔父からの心無い扱いに心を荒ませてきたが、リチャードによればストリックランドの領地はもともとレジーの母のものでレジーに正当な継承権があったという。
優秀な管理人がおり、領土は栄えているという。
うれしさと興奮とであっという間に領地を訪れたレジーを待っていたのは、家族の面影が宿る家と女性の管理人だった!

レジーにはレジーの、アリスにはアリスの過去の確執があって、ひかれあいながらも立場上や様々なしがらみから友人として過ごすことを選択するあたりも、過去の苦しみが読者にはよくわかるので、なんともやりきれないような、仕方がない!って思えてくるような。。。2人とも大人ですからねえ、かなり慎重ですよね。
特にレジーの飲酒癖は、とっても深刻ですからね。離れていた親族も同じような事に苦しみ、家族を失う瀬戸際になってやっと止められたこと。それだけでも結構衝撃だったのに、失われていたレジーの4歳までの記憶は、さらに衝撃的。いやはや。酒は身を滅ぼすとはいいますが、家系的にもそうなりやすい家系なのかもしれませんけどね、なまなましかったです。
そしてレジーは賭けごともすごい!計算して勝てるかけごとしかやらないってのもかっこいい。
けどね、飲酒癖がひどくって賭けごと好きで女たらしの放蕩者は、最初ヒーローっぽくないなぁって思っていたのが、読み進めるにつれ、とても魅力的に思えてくるから不思議ですよね。
ヒロインのアリスもよかったし、アリスの被後見人たちもよかったけれど、私はとにかくレジーがお気に入り。

こういう作家さんの話が読めるなんて、とっても幸せです。