悪の華にくちづけを

おもしろかったです。
外見にコンプレックスがあり恋に落ちても知能と悪行で乗り切ろうとするヒーローと機転と鋭さでわたりあうヒロインの組み合わせで止まらない勢いで読んでしまいました

とんまで勘違い男であるが、かわいい弟を悪名高きディン侯爵から救うために、やってきたジェシカは骨董品屋で早速ディン侯爵と出会う。
悪行の評判と弟を離さない魅力から、中年の男を想像していたが、本物のディン侯爵は男勝りで男性のときめいたことなどないジェシカの心を一瞬で奪ってしまうほどの魅力あふれる体躯、強い意志を映し出す黒い瞳を持った立派な男性だった。
これは恋?それとも欲望?

 
ディン対ジェシカ。
ディンは母に捨てられた(と信じ)冷たい父に阻害されて育ったことで心に深ーい傷を負っています。愛や結婚など、もってのほか。というか、そういうことにあこがれる気持ちはあっても自身の醜い容貌のせいで金で解決する以外に自分を抱き締めたいと思う人などいない、と信じこんでいます。
そこに忽然と現れたジェシカ。女性らしからぬ聡明さ、度胸、策略にとんだ大胆な手腕に、ディンはメロメロ。でもプライドもあって自分から彼女がほしい。。とはなかなか言えないわけです。
この二人の勝負は、でもジェシカの勝ちですね。
名誉を傷つけられたからとディンを銃で撃ったり、罪にならないことを承知で、、ただディンの悪名を地に落とすためだけに自首してみたり。そして一番の勝利のポイントは結婚するまで自分がディンを好きであることを隠していたあたり。。かな?
おみごとでした。