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ラストワルツはあなたと

偽りの婚約者とくちづけをの中で姉妹中一番虐待を受けていたホープのお話です。
一作目は、麗しの~っていうサブタイトルがしっくりいかなかったのですが、今作からはしっくり!
とても面白く、ほんわかとした気分になれるロマンスでした。

19歳になり社交界の華になったホープとフェイスは夜ごと、舞踏会で数いるハンサムな独身男性に口説かれても、自分たちの夢見る男性とめぐり合うまでは、と求婚を断り続けてきた。
そしてある舞踏会でミスター・レインにあったとき、祖父にも似たその大柄でたくましい姿からホープは目が離せなくなり、別れた後も夢に現れ、ホープを魅了し続けるのだった。しかし、ミスター・セバスチャン・レインは世間からはかかわり合いにならない方が良い男性とみなされ、現在も裕福な女性との婚姻をもくろんで社交界に登場していると思われ、白い目で見られているのだった。
だが、本当のセバスチャンはもともとは貴族の次男の長男として生まれ、爵位こそなかったが学校で学び優秀な生徒として暮らしていたが、放蕩過ぎた父の性で家も財産も失いわずか12歳にして家族4人を支えなければならない立場になってしまった。そんな苦しい生活の中でも家族を愛し、なんとかしようともがいてきたが、数々の困難や苦難が彼を襲い愛する家族をすべて失う目にあってしまう。青年になり、優秀さゆえに請われて受けた結婚にも期待した家族のぬくもりを得られなかったセバスチャンは、寡黙で現実的で優秀な実業家に成長したのだった。
そんな彼だったがつい最近、赤ん坊のころに乳母にさらわれたきりの妹2人を探しだすことに成功し、一緒に住めるようになった。しかし10年以上離れ離れになってしまっていた妹たちは世の中の暗い断面を見すぎたせいか実の兄(妹たちは全く覚えていない)のことも信用できない。常に緊張した雰囲気で脱走を繰り替えし、家庭教師をほとほと困らせ何人もの家庭教師が見放した妹たちに、なんとか家庭を味あわせてやりたい一心のセバスチャンは、児童院の運営に携わる厳格でいつも灰色の服を身につけ、30歳を超えて婚期をすでに逃しているが、妹たちを正しい道に導いてくれそうなレディ・エレノアに求婚していたが、ホープと出会った瞬間、ホープ以外の女性に目がいかなくなってしまうのだった。

 


よかったです。
込み入った事情のあるセバスチャンが、義務と責任に縛られながらも自分の欲求とホープとの引力に勝てずにひきつけあうまでのもんもんぶりは見事です。
くらーいイメージはありますが、文句無しによい人ですね、このヒーローは。何が何でも妹たちを幸せにしたいから、自分の幸せは二の次だ!と言葉だけでなく行動にも移せるところはすごい!一緒にそだってきたって、ティーンエイジャーの妹なんて扱いにくいものはないでしょうに、離れ離れになっていて妹たちはデバスチャンを本当に兄と信じていなかったこともあり、扱いにくさ満点。それでもめげないところもすごい。
そしてそんなセバスチャンの辛さ、やさしさ、心配をよくよく理解し包み込むホープもすごい。
夢や希望、こども時代の愛情にこだわりを見せるホープですが、概念でなく自分の経験からの重みのある言葉や勢いには前作のホープの辛い子供時代を思い出し、ホロっとしました。
脇役も前作以上のはなやかで楽しい仲間たちだし、ホープの麗しい家族も顕在です。
最後まで楽しめるお話でした。