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この身を悪魔に捧げて

19世紀初旬、有力な貴族の出身ながら仕上げの家庭教師として社交界デビュー寸前の娘を教えてあるっていたホノーリアは、ひょんなことから引きるけることになった姉妹の目当ての公爵の情報を集めに出かけ、あまり収穫のないまま帰路についていた。通常であれば、家庭教師として赴任する前に目当ての殿方の情報を一通り集めるのがいつものホノーリアのやり方だが、今回は例外のため、赴任後に情報集めをしなければならず、思うとおりに事が進まなくとも、壮大な夢と頑固な性格に支えられ、ちっともくじけずに前向きに進むつもりだった。
その帰り道。林の中で銃撃され瀕死の青年を見つけ介抱しようとしているところに嵐が襲い馬たちに馬車をもっていかれてしまう。途方に暮れるホノーリアの前に、巨大な黒い馬にまたがった長身でいかつい男が現れた。男は状況をそくざに把握し、ホノーリアを伴い、けがをした青年を助け、近くの小屋に避難し、嵐をやり過ごす準備をする。青年は虫の息で、時折目覚めてはデヴィルに会わなければ・・とうわごとを繰り返す。不思議に思っていたホノーリアだが、朝になり、デヴィルを探して現れた彼の親類とホノーリアを探してやってきたクレイポール夫妻に囲まれ状況をやっと把握することができた。このたくましい男性こそが、クレイポール夫妻に娘たちの婿候補、そして世にデヴィル・シンスターと呼ばれる第6代セント・アイヴズ公爵だった。そしてデヴィルはホノーリアがデヴィルの妻になる、と当然のように言い放ち、彼女を家につれてかえろうとするのだった。

 最初会ったときからホノーリアこそ自分の妻にふさわしいと見抜く?信じこむデヴィル。家柄、気品、美しさなどを総合的に考えた政略的な申し出だったのか、と思いきや、だんだんと嫉妬に胸をかきむしられ、妻にしたいのにYESといってくれないホノーリアにむんむんするデヴィルは強引だけど、ちゃめっけのあるヒーローで、最高です。
包容力もあるし、賢いし、戦略的な駆け引きを恋にももちこもうとするし、強引だし、世間慣れしてるし、粘り強いし。

でも、このヒーローだけならば結構うっとしかったかも。

このデヴィルに負けないヒロインのホノーリアだったから、よかった!ともいえるでしょう。
家柄よく生まれながら17歳のころに起こった悲劇によって結婚も嫌!子供を持つのも嫌!といって家庭教師として自立し、いつかエジプトなどを旅行して歩くのが夢、の24歳の大人の女性。
普通の男性なら、きっと逃げ出してしまうくらい頑固で気が強くて、癇癪持ちで、頭がいい。
だけど、これまでは男性の誘いなんて軽く受け流してきたホノーリアも今回ばかりは、逃げられない。
そして逃げられない、逃げたくない、と開きなおってからのホノーリアの逆襲が、これまたすごい!
戦略家同士よね。