霧にひそむ影

普通に読めるサスペンスで、普通の人の普通の生活がよく書かれてる、ロマンスとして面白かったです。なんか、特に大きな盛り上がりがあるわけでもないんだけど、たんたんと引き込まれる。
よいですね~

自然写真化のカリーンは、写真とりに出かけた山の中で偶然密輸団と遭遇し、銃撃を受けた。たまたま山登りに来ていた、幼馴染のいじめっ子で、今はパラシュート部隊に所属するタイラーに救助され危機を脱することができた。瞬く間に恋におち、お互いをソウルメイトとして認め、自然の流れで結婚することになったが、結婚式の一週間前に、タイラーよりも身の危険のない職業の男のほうがカリーンにはふさわしい、カリーンとは結婚できないとタイラーが告げ、二人の関係は終わっていた。

その後ボストンでの仕事を増やし、屋敷修復の過程を写真に収める仕事についていたカリーンだが、ある日昼食から修復中の屋敷に戻ると、セキュリティ担当が銃弾を受けて絶命しているのを発見する。あわてて屋敷から飛び出したカリーンを受け止めてくれたのはタイラーの元同僚で、今はセキュリティ関係の会社を起こしたマニーだった。
死者の発見に激しく動揺するカリーンのもとに、マニーから連絡を受けたタイラーがやってきてカリーンを守ろうとする。タイラーや叔父、姉、兄などの保護者ぶったの態度に立腹しながらも、タイラーの存在に安心感を覚え、そしてまだタイラーを愛していることを認識するカリーン。
警察に疑われるマニー。マニーのまわりでうごめく影が、やがてカリーンにも近づいてきて・・・・

 
国家レベルの犯罪でもなければ、英雄的なヒーローでもないし、絶世の美女でもないし、特に裕福な家族がいるわけではない。地味な話です。サスペンスとしてもロマンスとしても地味だけど、この地味さがなんか良いですね。
結構ありがちな事件だとは思いますね~。
主人公2人の心の動き的にも、自然な感じがするし。
ヒーローは結構暗い系ですが、妙に温かな笑顔を浮かべてヒロインに接するときもあるし、孤独をしょって一人で黙々としてるときもあって、特にすっごくかっこいいわけではないけど、普通にかっこいい。
ああ、普通ばっかり(笑

なかなか気にいっちゃいました、この作家さん。