迷路

旅路 - みみの読書日記に触発され、こういうくら~い雰囲気を味わいたくなりました。
FBIシリーズの1作目ですが、この本ほどいろいろな要素が詰め込まれた本も珍しいくらいに、山と谷が怒涛のように押し寄せてきます。
いつよんでも新鮮です

7年前に、サンフランシスコでストリングキラーと呼ばれるシリアルキラーに姉を殺されたレーシーは、自分に非があったような悪夢に苦しめられ、それまでの夢も若さも失ってただ犯人を捕らえるために生きながらえてきた。犯罪を学び、FBI捜査官として犯人のプロファイルを行い、犯人たちを追い詰めることを夢にしてやってきたが、実際にプロファイルを学び自分には耐えられないことを知り、一介の捜査官としてLA支局に配属されることが決まっていた。しかし、そこにサビッチ率いる犯罪分析課から声がかかり、願ってもないチャンスに冷静な顔をしながら小躍りしたくなるレーシー。FBI捜査官になり姉を殺した犯人を捕まえることはレーシーの長年の夢だった。

FBI捜査官としてサビッチに導かれながら、頭角を表すレーシー。そこに、最後に犯罪から7年たった日にストリングキラーが再び殺しを始めた。
いてもたってもいられずに現場に飛び込んでいくレーシーだったが・・・・

 
とにかくサビッチがよい!
音の素晴らしい声、筋肉質でハンサムな容姿、料理すきで世話焼き。そして美術を愛し、自分でつくっちゃったりもする。レーシーにひかれながらも上司として手際よくサポートし、面倒をみ、でもレーシーに危機にはいち早く駆けつけ助けてくれる。頭の回転も速いし、すぐジョークもいうし、リラックス上手?これでは凝り固まったレーシーでもとろけてしまう・・
レーシーは、7年前の姉の殺害から立ち直っていないようにも見えるけれど、相当な努力をして立ち直ってきた経験から何者にも動じずに立ちまわれる度胸のよさと頭のよさがまじりあって、サビッチとの会話のテンポのよさには思わず笑わされてしまうくらいに読んでてたのしい!犯人との駆け引きでも、窮地に陥った場合の態度も非常に男前で、かっこいいいね

でもなによりも印象深いのがレーシーの両親と姉べリンダの夫ダグラス。
レーシー自身も不思議な国のアリスになったかのようだ、って表現するけれど突拍子もないおかあささんで、一緒にいるとつかれそう。そのお母さんといるお父さんはこれで幸せなの?どうなの?いやじゃないの?・・と疑いを持たせるようなことがたびたびあり、犯人って・・・・って迷わせられるところも面白い。
そしてダグラス。はっきりいって意味不明だけど、面白い。その妻もいい勝負に面白いキャラですね。
クインランとサリーもでてくるけど、幸せすぎるせいか影は薄い。
そしてお気に入りのマービンは今回も大活躍でした