旅路

すっごくよかった!
今ときのロマンスっぽくない、クレイジーな感じと暗さの中で、これがシリーズ初作と思えないほど出来上がったキャラたちのユニークさ!
最高です。

大物弁護士を父に持ち、自身も文才に恵まれ幾多の賞をとり議員の補佐官として仕事にのめりこんでいたサリーだったが、半年前から記憶が定かではなくなり精神的不安定によって精神病院に収監され、虐待を繰り返されていた。監視員の目をごまかしなんとか精神病院を逃げ出して、父殺害の容疑から逃れ、母や夫の彼女の追撃からしばらくの間身を隠す場に選んだのが叔母がすむオレゴン州コーブだった。
FBI特別捜査官のクインランはサリーを追ってコーブに現れたが、表向きは3年前に行方不明になった老婦人の調査に来た私立探偵として、名乗っていた。
サリーとであったクインランはサリーの精神に異常がないことを知る。
コーブに身を隠すサリーに何度もかかってくいる死んだはずの父からの電話。サリーの悪夢。サリーが夜中に聞いた女性の悲鳴。そしてサリーとクインランが散歩中に見つけた女性の他殺死体。
平和な町コーブに殺人鬼が?
サリーの父を語ってサリーを怖がらせるのはなぜなのか?そしてだれがやってるのか?
クインランが調査を進めるにつれ、なぞは増えていく一方で・・・・

謎が大好きなFBI特別捜査官クインラン。かっこよくて正義感が強く優秀な捜査官で、そしてサリーにとても甘い。
父に虐待される母をかばいながら育ち、まともに愛された経験に乏しいサリー。でも精神病棟にいれられても昏睡状態すれすれの薬を何度投与されても、闘志を失うことのない強い女性です。常に自分だけを信じ、すべてを疑いながら生きてる。そんな生き方に尊敬すると同時に守ってあげたくなるクインラン。
最初はぎこちなかった2人が物語りが進むに連れ、絶対的なペアになっていくのは読みがいのある部分でした。

シリーズを通してよく出てくるミス・リリーとその手下たち、そしてサビッチも脇役とは思えないくらいに生き生きとしていて、感動しましたね。シリーズ初作とは思えない完成度!
でもね、暗いですよ。全体としては。当たり前だけどヒロインが自分以外すべてを疑っているのでみんな怪しく暗いのです。でもその暗さがいい!迷路もそうだけど、ほかの人すべてのあやしさがいい!
いや~。やはりFBIシリーズはおもしろい!

次は今年中にPOINT BLANKのようですが、
3作目のThe Targetもそのうちお願いしたいですね~