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ふりむけば恋が

総じてコニー・ブロックウェイは苦手な部類にはいるのに、今回の話は気に入りました。

遺言により、5年間の間にリリーがミルハウスを管理し、アヴェリー・ソーンの後見人として彼の面倒を見る。5年間で利益が出せない場合、リリーはミルハウスの所有権を失い、アヴェリーが所有権を持つことになる。
その5年の間、ロンドンでリリーの失敗を手まねこねいているのはいやだったアヴェリーは世界中を旅するために出かけていきます。リリーはそんなアヴェリーに手当を送るため、小言をいうため、近況を確認するために、アヴェリーからはどこに向かうのか全く手掛かりなしの状態から、毎回正確にアヴェリーの居場所を見つけ出し、手紙を出してくるのだった。
2人はお互いを最愛なる好敵手として誰よりも大切な人物になっていくのですが、約束の5年が過ぎるころアヴェリーがミルハウスにやってきて、2人は初めて面通しをして・・・・・・

 
共に人生の辛酸な部分を味わい、自分の人生においては多くの物を手にできることはないのだと悟っ
た2人が、唯一手に入れたい「我が家」=「ミルハウス」だったわけです。
アヴェリーは小さい頃から体が弱く、ぜんそく持ちでおとなになった今でもぜんそく発作のきっかけになる馬小屋にはできるだけ近寄りません。冒険家として名をはせ、探検談を雑誌に公表し人気を得ながらも女性と付き合った経験があまりなく、自信なげな、どちらかというと繊細で頭脳明晰な男性です。でも、外見だけはギリシャ神話にでてくるように素敵なようですが・・

対するリリーは黒髪に黒い瞳の美女で、母親の不幸な結婚と離縁の事情から私生児として育てられ、婦人参政活動家として、女性にも男性と同じ権利と保護を求めて闘っています。でも19世紀では私生児というだけで、色眼鏡でみられてしまいますよね。

2人は手紙のやり取りだけでお互いが大切な存在であることを理解しながらもミルハウスという2人にとって夢の象徴であるものをかけて闘っているライバルでもあります。それにお互いの身分、過去、考え方、性別などもかなり隔たりがあります。かけがえのない友人でありながら、今の時代のように素直に友情を築けない。お互いにひかれながらも、歩み寄れない。
でも・・・・・そんな二人をそれぞれのいろいろな事情からリリーとアヴェリーが結婚してくれたほうが都合が良いから、と2人を縁結びしようとする方々がいて、ものすごく頑張っちゃいます。あの手この手で。←この辺、なかなか楽しんでよめました。

なんていうんでしょう。まさに、ラブストーリーなんですよね。2人は恋になんて落ちたくなかったのに、自分の人としての尊厳を考えたら2人が結婚するなんて変なのに、恋に落ちてしまって逃げられないんです。もどかしいやら、くやしいやら・・・・でもついに2人がペアとしてお互いを認めるときはなんだかうるっときましたね。
間違いなく私の中でのNo.1コニー・ブロックウェイになりました!