愛と赦しのはざまで

今までのシャロン・サラとは違う!の文句に読み始めましたが、確かに違ってました。
今までになく強く勇気があって正義感の強いヒロイン。そして、かーなーり深いテーマ。
結構ゾクゾクしながらも夢中になって読んでしまいました

テレビレポータのジュニュアリーはしばらく前から罪びと呼ばれる臨死体験をした男を探していた。ホームレスなどから聞いた罪びとの話は、他の臨死体験と違うような気がしたのだ。
慈善活動中にもいろいろな情報を集めるジュニュアリーのところへ罪びとからの電話が入る。

ある日、ある殺人事件でジュニュアリーは以前うっかりとキスを交わしてしまったハンサムで魅力的な刑事ベンと再会する。相変わらずのかっこよさに、うっとりするジュニュアリー。その後レストランでも再開し、お互いに魅かれあっていることは認識するものの、職業的には敵見方のような立場故に、後ろ髪を引かれながらも別れる。その後、再び殺人事件が起こり、殺された男の名前、行方不明のホームレスたちの名前を丹念に調査し、関連性を摸索していたジュニュアリーは、一連の殺人事件とホームレスたちの行方不明の事件が関連したケースであることに気づく。
自分の思いすごしかと、考えすぎかとしばらく黙っていたジュニュアリーだが、ジョギング中に誰かに見られるいる危機感を感じ、警察の中では一番信用できるベンに事件についての自分の憶測を話すことにする。

 
キリスト教にうとい日本人にとっては、名前だけではピンとこないし、そのこだわりもいまいち理解できませんが、事件の異様さと犯人の悲しさはひしひしと感じられました。
犯人は悪人であるべきなのですが、犯人自身も病魔に侵され、限られた時間で自分の命を天国に導いてもらおうと必死です。必死になればなるほど、回りの人間も迷惑をこうむるわけですしね。
いろいろなうまくいかないことの積み重ね。犯人は天国に行くために必死にやっているけれどその行為の中でさえも試練ばかりの、ちっともうまくいきません。キリストになろうとしているにに自分の弟子たちさえもまとめられないなんて、まともに考えれば変なのに、変って思えないところがもう病気なんでしょうねえ。

犯人はさておき、ジュニュアリーとベンのカップルはすがすがしくっていいですね。
刑事とニュースキャスターって天敵どうしたけどこの2人ならうまくいくかも!うまくいってほしい!と思ってしまうこらいお互いにぞっこんです。いつまでも幸せでいてほしい。。。と願っちゃいますね。
いつものシャロンサラより、こういう手の込んだ話のが好きです。