いつまでもこの夜を

待ってました!

大家で親友のジョゼットの結婚式で美しいドレスに身を包み、化粧をしてプロに髪を整えてもらったクレアはなんとか自分の境遇と今の状態を照らし合わせて、親友の結婚式から逃げ出すことを正当化しようとしていたが、そこにすべての女性をうっとりさせながらとろけさせるホットワイヤーが現れ、クレアの美しさを誉めたたえ、キスをすると、単なるキスとは思えないほどの絆の深さを感じ、自分にキスする相手以外のすべてを忘れてしまうほどの衝撃的な体験をした。だがキスのあとに、永続的な関係を求めていないことをはっきりさせるホットワイヤー。少しがっかりするクレア。ホットワイヤーにはずっと憧れていたけれど、バイトと奨学金で少しでも早く大学を卒業して、自由になりたいクレアには、ボーイフレンドと遊んでいる暇などなかった。

だが、バイト先の少々認知症気味だったレスターが亡くなって落ち込んでいたところに、ジョゼットの家で枕で窒息させられそうになり、頭をしたたかにけられて脳震盪を起こし、病院に担ぎ込まれたクレア。そんなボロボロの彼女を引き取り、数字ごとに起こして水や薬を与え、食事の世話、トイレに連れていったりとセッセと世話してくれたホットワイヤーにもともと魅かれていたクレアは、本格的な恋心を抱くようになる。ホットワイヤー=ブレッドはスパイか警察か?というくらいに捜査にも詳しく、クレアを襲った犯人を調査し、同時にクレアの身辺を平安にするように心を配ってくれる。
最後に一線はまでも非常に親密になった二人だったが、クレアの卒業試験が終わるまではと自分たちをおさえていた。試験最終日に大学のトレイの中で襲われたクレアは、そのままブレッドと郊外に出かけ、ブレッドの将来や結婚といったものを望まない態度を残念に思いながらも、ブレッドにひかれる気持ちに素直に従いベッドをともにすることに同意するのだった。

 
前作までのホットワイヤーは少しのんびりしてるけど切れ者!のイメージが強かったのですが、今回は結構必死?最初は結婚なんてやだね~。と余裕で構えていたのに、あることをきっかけにクレアと結婚することに執着し、本人だけが気付いていないけれど、かなりのぼせわがった状態になってました。ブレッドの、元傭兵3人組で話していて自分のクレアへの愛に気づくところは、こまったちゃんなブレッドが妙に可愛く感じるシーンでお気に入りです

クレアは、前作から引き続いて苦学中。そして彼女の苦渋にみちた過去があきれかにされ、結婚や家族というものに尻ごみしているところが随所にでてきます。とくにブレッドの態度もねえ~かなりろくでなしだったから、クレアの不安にさらに拍車がかかるわかですね。
そんな二人をあたたく見守り、さりげなく後押しするブレッド姉のエレノアやかの有名なブレッドの母フェリシア。彼女たち2人がクレアの気持ちを和らげ、温かく迎えてくれたからこそ、傷つくことを恐れて、ブレッドとの関係を深めることを躊躇していたクレアがもう一歩進むことができたんでしょうね。

1,2作目同様、主人公たちの心情が細かく表現されていて、物語に入りやすかったです。