危険な公爵を夫にする方法

なかなか。なかなか。おもしろかたですね。
結婚するまではトントン拍子。そこからが勝負!

伯爵を父にもち、子爵を継父にもつ裕福な貴族の娘エヴァフェアチャイルドは社交界にデビューしてから3年たっても結婚せず、妹やいとことともに気楽な暮らしを楽しんでいた。少なからず求婚者もいたが、母のいうところの”都合がいいものでもなければ、ひらめきを感じたものでもない”結婚には見向きもしなかった。ロンドン一危険で素敵な花婿候補、ミドルトン公爵のような男性と・・・とも夢見るが、自分が平凡で特に家柄や美貌で他を抜きんでたものではないことを自覚しているエヴァは夢見るだけにしておくつもりだった。しかし、最愛の母の急死により、母の財産をすべて継父に取られ、社交生活の面倒をみるのもあと一年といわれてから、エヴァの状況は変わった。自分と妹、いとこが最初に求婚してきた誰かと結婚しなくても済むように、できるだけ有利な相手を早急に結婚する必要が発生したのだ。

ジェイリッド・ミドルトン公爵は父であるレッドフォード公爵からさる公爵の令嬢と結婚し子をもうけること、彼の愛人であるウェーターストーン夫人との醜聞を控えることを日々説教され、ほとほと嫌気がさしていた。公爵の一人息子として生まれた常に義務と責任、そして世間の目から逃れることができず、さらに家族とのつながりも希薄で、友人さえも限定されたものだけで、身分は高いがかなり制限された日々を送っていた。ジェイリッドにとって義務と責任の象徴のような舞踏会で、父の進める縁談相手とダンス中にエヴァに目を止めた。エヴァは、決して上手ではないパートナーに投げ飛ばされるように踊っていたが、その目がきらきらして、顔は楽しそうに微笑まれていたのだ。
すべてに対して普通とはかけ離れた彼女なりのやり方で、楽しそうに何でも興味ともつエヴァは、何にも興味を持てず楽しめないジェイリッドを魅了したのだった。
ついにジェイリッドの父から脅迫じみた結婚を決めさせる話があったとき、ジェイリッドはエヴァを選らぶ。彼女ならば長い月日を一緒に過ごし、子をもうけるのでも楽しくできそうだったから。。

そして二人は結婚し、結婚してからもどんどん魅かれあっていく。魅かれあって愛を求めあうほどに。。

 
エヴァは快活でいきのよい女の子ですね。
とにかく突っ走るタイプ?のようで結構考えてるようで思いつきで行動しているようでもあります。
それでも、逆境にも負けず、常に前向きで、なんでも楽しんでやっちゃうエヴァはヒロインとしてとっても魅力的。かなりの部分を嫉妬に振り回されるのに、口説くならず、元娼婦の侍女サリーとのジェイリッド獲得大作戦をいろいろとねってみたり笑いをさそう場面が多くて楽しめます。

対するジェイリッドですが、とっても複雑な男性ですねえ。
父との関係は希薄なせいか、父が母存命中から愛人を囲い、母を軽んじていたのを恨みにおもっているせいか、とにかく父との関係は最悪。
そして常に義務と責任をまっとうしようとがんばる男です。自分の感情や不満は後回し。
そういうジェイリッドがエヴァによって振り回されながら人間らしく変わっていきます。
こういうジェイリッドに感情的にぶつかっていけたエヴァがある意味すごい!のかも。

人間描写が細やかで、おもしろく読めました。