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すべての夜は長く

久し振りのジェイン・アン・クレンツ。
好きなんだけど、たまにどーしても受け入れなれない話もあって躊躇しましたが、今回のは大丈夫。!相変わらずの変人すれすれのヒーローですが、今回はよかった!

17年前に両親の心中事件を発見したことにより故郷を離れていたアイリーンが、かつての親友パメラからの意味深なメールにより故郷に帰ってきた。湖沿いのコテージに滞在し、パメラに連絡を取ろうとするが、電話にもメールにも出ない。仕方なく夜半過ぎにパメラの家を訪ねるとそこにはパメラが死体となって横たわっていた。動揺するアイリーンの元にコテージのオーナーで元海兵隊員のルークが現れる。コテージの受付に現れたアイリーンをみたときからアイリーンに魅かれていたルークは、夜になっても闇を嫌って部屋中の電気を煌煌とつけるくせに真夜中に車で出かけるアイリーンを心配してつけてきたのだった。傍からは自殺に見えるパメラの死も親友を知るアイリーンには殺人に見えた。
翌日パメラの家を再度こっそり忍び込んだアイリーンは、パメラの家が放火される場面に居合わせる。どうして家が放火されたのか?どうしてパメラは殺されなければいけなかったのか?細い糸とアイリーンの記者としての勘をたよりに事件をさぐるうちにパメラの父の秘書が殺され、アイリーン自身も危険を感じる場面に遭遇する。そして、パメラの残した鍵はさらに危険な事実を明らかに・・・

 
アイリーンは17年前の両親の心中事件に心をバラバラにされながらも何人もの精神分析医との協力によりなんとか心の平静と自分の足を地につけた行動ができる女性に成長していた。でも黒ばかりの服を着るところ、ルークの家族とあって自分が天涯孤独の身であることを感じるところは、いくら立ち直ったといっても心に傷は残るものだのだなぁと少し悲しくなりました。
ヒーローのルークは、まあ変わった男性で実の母を自殺により亡くし父や叔父に育てられ、継母ができた後は彼女や彼女の子供たちを家族として享受しながらも自分の中の欲求、探索欲のようなものに突き動かされ家族の希望通りに行動できないことを少し気にしています
大学を卒業し哲学専攻で大学院に進みながらも実践を求めて海兵隊員になり、脱退後は家族のためにワイナリーと手伝いながら幼馴染のケイティと結婚しようとするも、彼女と自分の違いに気づき婚約を破棄し、本の執筆のためにコテージの静かな生活に入ったルークですが、アイリーンと出会ったことにより静かな生活どころではなくなってしまいます。
でも、彼女と一緒にいることで今まで感じたことのない平安を感じ、すべてがうまくいくような気がでしてくるわけです。アイリーンもルークといると悪夢からも解放され、びっくりするくらいしっくりいってしまいます。出会ったから数日でかけがえのない存在になってしまったお互いに、緊張しますが大人らしく受け入れる二人には好感がもてました。

家族との関係もあり、サスペンスっぽい部分もよくかけていて、とてもおもしろい一冊です。