夜の炎

ナイト・トリロジーの一作目です。1989年に書かれた話です。
2、3作目も順に出版されるようで、楽しみです。

十九世紀初頭、イギリス。両親を失ったアリエルは、後見人の異父兄によって、老レンデル子爵のもとに嫁がされる。そこで待ち受けていたのは、夫によるサディスティックで残虐非道な仕打ちの日々だった。
二年後、レンデルの突然死によってようやく自由の身となったアリエルは、戦地から帰還したレイヴンズワース伯爵と再会する。かつて淡い恋心を抱いた相手――だが心に傷を負ったアリエルは深く心を閉ざし、想いを持て余した伯爵は、代理人たちに窃取され土地や屋敷を売り払いアメリカの義姉を訪ねていこうとするアリエルを連れ去った。

 心に深い傷を負ってしまったため、男性に尋常でない恐怖心をもつアリエル。そんな彼女の反応が理解できずとまどうバーク。

バークから逃げようとして雨にぬれ肺炎をおこしてしまうアリエル。生きる気力を亡くしたアリエルは回復を拒否しているようで、医者も首を傾げるほど悪化の一途をたどり、危篤状態になります。バークは死の一瞬だけでも自分の妻に、医者と牧師に嘘をつき、アリエルと結婚します。結婚後、意識がもうろうとするアリエルの面倒を見ながら、老レンデル子爵がアリエルに何をしたのかを知ります。
猛烈な怒りにかれるとともに、アリエルの心が癒えるのを待とうと決意します。

前半の老レンデルのひどい仕打ちと、後半のバークのあくまでやさしく包み込むような寛容さ、教育を施す先生のような態度は対象的でした。アリエルのかたくなな気持ちに、このまま一生このままか?とも思いましたが、15歳という若さで異常な状況に投げ込まれたわけなので、この位の反応はあたり前なのかもしれません。
中世では、夫や親によって虐待されてなくなった人も多くいたのでしょうね。
ともあれ、バークの優しさがアリエルの心に届き、二人が心から結ばれた結末は感動しました。

次はナイトのお話で3作目は、今回もでてきたアリックの話になるわけですがアレックは結婚して子供も出来たはずなのにどうして3作目のヒーローになるのか??
気になりますね~