あたたかな雪

超能力をもつデボラは、今日も近所のDV夫婦の危機を電話で保安官に知らせたところだった。山奥でひっそりと暮らし、犬と隣人以外にほとんどあう人もいない。40歳になり、大きな実家でこのまま人生を過ごしていくことを覚悟していた。ある日、飛行機の墜落現場で幼い子供と女性が助けを呼ぶのを感じ、意を決して吹雪の山へと向かったふたりに命の危険が迫っていることを予知して。

 

  80歳を超えて、玄孫もいるソーンは夢の中で最愛の妻の夢をみたいた。「あの子を助けて」。話で曾孫に確認し、妻の警告がただの夢ではなかった事を知る。

ソーン、ジェイムズ、マイク、エヴァンは行方不明になった飛行機を探しにやってくる。飛行機の墜落現場には様々は人々が集まっていた。デボラは少なくとも2名の生存者がいることを保安官に伝えた。そこでデボラは、幼い子供の家族である青い瞳の屈強な男マイクに出会う。 マイクはデボラの能力への不信感を隠そうともせず、魔女でも見るようににらみつけてくる。 だが、マイクの手がふれた瞬間、デボラは近い将来、彼と結ばれると予感した。 それでも動揺を隠し、雪山でともに生存者の捜索を始めるが……。

 

どちらかというと、シャロン・サラ名義の話の方が好きなのですが、この話はよかったです。 孤独で落ち着いていて、自分のことを他人がどのように感じるかわかっている女性なので、たんたんと捜索にあたり、マイクがいろいろいってもちっとも動じない。 強いですね。 探索のあと雪によりデボラの自宅に閉じ込められたオブライアン一家を見ながら、疑似家族をみているようだ、と一歩引いてみているデボラに、彼女の中の孤独の深さを感じました。 マイクと末長く幸せになってほしいです。読んだあとほのぼのとできる一冊です。