麗しのファンシー・レディ

たぐいまれな美貌に恵まれ、シルクとキャビアに囲まれて育ったフランセスカは、ヨーロッパ社交界の寵児としてもてはやされて育った。
高名なデザイナーだった祖母、セレブリティの代名詞のような母をもつフランセスカには、怖いのなど何もなかった。だが、母が突然の死を迎えたとき、その財産は底をつく寸前だったという事実が彼女を襲った。
藁にもすがる思いで、フランセスカは人の紹介を頼りにアメリカへ渡る決心をする。
アメリカで出会ったダリーとのつかの間の愛、そして別れ。誰にも頼らず、たった1人で生きていこうと決意するフランセスカは田舎の小さな町に流れ着き、強引に仕事につく。今までやったことのない仕事に長時間労働、安い賃金、そして体の不調。
食うや食わずの日々の中で彼女はダリーの子供を宿したことを知る。
一度は中絶しようと病院にいくも、手術直前で子供を育てる決意をする。
そして、DJの代役をやるチャンスが訪れた。

 

今のスーザン・エリザベス・フィリップスとはだいぶ違う。。。。という書評はあちこちでみてたので、あまり期待しないで読みだしました。前半は確かに、少し飽き気味でしたが、後半のどん底からの踏ん張りが、結構SESのヒロインらしさがでていたような気がします。
とはいっても、やはりいつもの胸がきゅんとなる切なさや、にんまりする会話や、なんどもくりかえし読みたくなるエンド部分などのSESらしさは期待しないほうがよいです。

テディとダリーの親子関係は、「あの夢の果てに」を思い出させてくれて、再読したくなりました。